2003
02
株式会社サンレー
代表取締役社長
佐久間 庸和
「ハートレスは心の貧乏人、
笑顔でハートフルになろう!」
先月は、各事業部、各部門とも予算達成度100%をオーバーする好成績でした。まさに素晴らしい一年のスタートを切ることができ、今年のスローガン「陽はまた昇る」が現実のものとなってきました。ありがとうございました。
さて最近「EQ」すなわち「心の知能指数」の話をすることが多いのですが、ハートフル・カンパニーをめざす当社にもまだEQの低い社員がいることを悲しく思っています。管理職の中にもいるようで、朝、部下が「おはようございます」と言っても返さなかったり、部下が話しかけても無視したり、一日中平家蟹のような仏頂面をして部下を威圧したりする者がいる。何が面白くないのか知りませんが、こういう管理職は百害あって一利なし。
だいたい、若い社員が「今日も一日、がんばるぞ!」と張り切って「おはようございます」と挨拶しているのに、返事もしないような上司というのは、社員の士気を下げているわけで、社長の私から見れば立派な営業妨害です。営業妨害をする人を会社に置いておくわけにはいきませんので、心当たりのある人は今日にでも辞表を書いていただきたい。
そういう人には私から「ハートレス」という言葉を差し上げたい。「心の貧乏人」という意味です。私は15年ほど前に『ハートフルに遊ぶ』を書き、「ハートフル」という言葉を初めて提唱しましたが、自分でも驚くほどの流行語となり、時代のキーワードとまで言われました。
「ハートフル」とはもちろん、「心ゆたかな」人という意味で、「ハートレス」はその反対語です。家がないのが「ホームレス」、携帯電話は「コードレス」、カード社会は「キャッシュレス」、仲の悪い夫婦は「セックスレス」、そして「ハートレス」は心の貧乏人。「ハートレス」という言葉が、「ハートフル」以来15年ぶりに流行しそうな気配で、私は複雑な想いを抱いております。
ハートフルになるカギ、ハートレスにならないコツは、ずばり笑顔です。笑顔のある人ほど、ハートフル。かつて当社の大葬祭博に来られた植木等さんは、こう言われました。「人生の成功者とは、巨額の財産を残した人ではなく、生きているうちに多く笑った人である」
名言であり、真理だと私は思います。「笑い」と「豊かさ」は同義語なのです。私は、社員のみなさんに少しでも笑顔になっていただくことが社長の仕事であり、幸せなのだと確信し、ウクレレの練習をしたのみならず、沖縄ではゴルゴ松本の「命!」をし、大分では志村けんの「アイーン!」をしました。北九州ではイヤミの「シェーッ!」までしたこともあります。舞台を降りるときに、わざとズッコけたこともある。
これが私の地だと思われるとちょっと困るが、はっきり言って、社員のみなさんの笑顔のためなら、私は法に触れること以外なら何でもします!
社長というのは、会社および社員とその家族の生活を背負っているのだから、吉本興業だろうが何だろうが、そんじょそこらの芸人などより、はるかにサービス精神としての芸人根性を持っていなければならないのです。先月も言いましたが、みなさんに明るくなっていただき、元気・陽気・勇気・やる気を引きだすことが社長の最も重要な仕事と確信しています。
私もこれだけ思いつめているのですから、ぜひ、無愛想な管理職の人たちは考え方を変えるというか、心を改めて、最初は不自然でもよいから笑ってみてください。部下に笑顔を見せてあげて下さい。
笑う門にはお客様来たる。それによってハートフル・カンパニーたるサンレーが繁栄することはもちろん、あなた自身が人生の成功者となる一歩を踏みだすのです。