2008
08
株式会社サンレー

代表取締役社長

佐久間 庸和

「法則さえ知れば何も怖くない

 これが、サンレーの法則だ!」

●法則ブーム

 最近、「法則」という言葉に触れることが多くなりました。世界的ベストセラーとなった『ザ・シークレット』という本には、「引き寄せの法則」というものが紹介されています。これは他の言葉でいうと、「思考は現実化する」ということです。  それ以外にも、「原因と結果の法則」とか「正負の法則」とか「鏡の法則」とか「そ・わ・かの法則」などがよく知られています。
 その他にも、幸せの法則、愛の法則、繁栄の法則、お金の法則、成功の法則、仕事の法則、人間関係の法則・・・などなど。どうやら、この世は「法則」にあふれているようです。いや、宇宙は「法則」に満ちているといったほうがよいのでしょうか。  では、「法則」とは何でしょうか。
 それは、いつでも、またどこででも、一定の条件のもとに成立するところの普遍的・必然的関係です。ニュートンの「万有引力の法則」、ダーウィンの「適者生存の法則」、メンデルの「遺伝の法則」などがすぐに思い浮かぶ代表的な「法則」でしょうか。

●法則とは何か

 この世には数多くの「法則」が存在するとされています。でも、そのほとんどは単なる「経験則」や裏づけのない「ジンクス」のようなものです。
 「経験則」は、やがて「諺(ことわざ)」になります。「二度あることは三度ある」「急(せ)いては事をし損じる」「仏の顔も三度」などがそうですね。なんだか、「失敗する余地があるなら、失敗する」という「マーフィーの法則」に似ていますね。そう、多くの「マーフィーの法則」の正体も、実は「法則」ではなく、「諺(ことわざ)」になりかけの「経験則」なのです。
 当社にも、「互助会募集の営業の成果は二年後に現れる」とか、「葬儀の発生は多い月も少ない月もあるが、三ヶ月平均でならすと同じになる」などの経験則があります。

人間を幸福にする法則とは

 法則ブームについて、わたしが気になることがあります。それは、「引き寄せの法則」がまさにそうなのですが、「成功したい」とか「お金持ちになりたい」とか「異性にモテたい」といったような露骨な欲望をかなえる法則が流行していることです。
 いくら欲望を追求しても、人間は絶対に幸福にはなれません。なぜなら、欲望とは今の状態に満足していない「現状否定」であり、宇宙を呪うことに他ならないからです。
 ならば、どうすれば良いのか。「現状肯定」して、さらには「感謝」の心を持つことです。そうすれば、心は落ち着きます。
 コップに半分入っている水を見て、「もう半分しかない」と思うのではなく、「まだ半分ある」と思うのです。さらには、そもそも水が与えられたこと自体に感謝するのです。
「求めよ、さらば与えられん」というキリスト教的世界より、「足ることを知る」仏教的世界のほうが人間の幸福に直結するように思えてなりません。

●親に感謝するということ

 では、何に感謝すればよいか。それは、ずばり親に感謝すればよいのです。
 人間とは「本能」が壊れた動物であり、その代わりに「自我」をつくりました。その自我が、死の恐怖を生み、さまざまな欲望を生み、ある意味で人間にとっての「不幸」の原因をいろいろと生んできたわけです。
 人間の自我は、まず自分を人間だと思うところからスタートしなければなりません。そして、自分を産んだ親こそは、自分を人間だと思わせてくれる存在です。なぜなら、親とは自分をこの世に出現させた根本原因としての創造主だからです。つまり、親に感謝することは、自分を人間であると確信することであり、自我の支えとなって、もろもろの不安や不幸を吹き飛ばすことになるのです。
 親に感謝するという意外にも超シンプルなところに、「幸福になる法則」は隠れていたのです!

●「志」が究極の成功法則

 また、「夢」を持つことの大切さを、いろんな人が説いています。しかし、「夢」とは何よりも「欲望のかたち」です。
 真の成功者はみな、世のため人のためという「志」という名の最終目標を持っていました。とにかく、「志」のある人物ほど、真の成功を収めやすい。なぜでしょうか。
 「夢」だと、その本人だけの問題であり、他の人々は無関係です。でも、「志」とは他人を幸せにしたいというわけですから、無関係ではすみません。自然と周囲の人々は応援者にならざるをえないわけです。
 いったん「志」を立てれば、それは必ず周囲に伝わり、社会を巻き込んでいき、結果としての成功につながるのです。

●サンレーの法則とは

 企業もしかり。もっとこの商品を買ってほしいとか、もっと売上げを伸ばしたいとか、株式を上場したいなどというのは、すべて私的利益に向いた「夢」にすぎません。そこに公的利益はないのです。社員の給料を上げたいとか、待遇を良くしたいというのは、一見、志のようではありますが、やはり身内の幸福を願う夢だと思います。
 真の「志」は、あくまで世のため人のために立てるものではないでしょうか。そのとき、消費者という周囲の人々がその「志」に共鳴して、事を成せるように応援してくれるのではないでしょうか。そして、結果としての企業の繁栄があるように、わたしは思います。
 まずは、親に感謝すること。そして、夢ではなく志を抱くこと。これが古今東西の法則を研究したうえで、わたしが悟った幸福と成功を引き寄せる、人呼んで「サンレーの法則」です。

 幸せは親に感謝し
     成功は志から これぞ法則  庸軒