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一条真也
「日本人には和が似合う」

 

 片岡愛之助さん、藤原紀香さんの挙式・披露宴は大きな話題となった。
 新婦は上賀茂神社での挙式で白無垢を着て、帝国ホテルでの披露宴でもドレスなしの和装のみというスタイルで、梨園の妻の姿勢を貫いた。
 その反響だが、「やはり美しい」といった肯定的な意見に加え、「年齢的に無理がある」や「再婚なのに白無垢はおかしくないか?」という否定的な意見もあったようだ。
 結論から言うと、まったく問題はない。それどころか、芸能人という立場上、いろんな意見の飛び交うことが予想されたにもかかわらず、神前で堂々と愛を誓い合ったことは天晴れであったと思う。新婦の凛とした白無垢も見事だった。
 わたしの経営するホテルでは海外からの研修生を受け入れているが、彼らは「結婚式の際、なぜ日本人は積極的に和装にしないのか?」と疑問をもつという。実はそのホテルでは、日本庭園が人気ということもあり、和装率が7割以上と全国平均を大きく上回っているのだが・・・・・・。
 それでも海外から来た彼らは違和感を禁じ得ないという。確かに結婚式のとき、韓国の人たちはチマ・チョゴリを着るし、インドの人たちはサリーを着る。その他、タイ、ミャンマー、ハンガリー、ウクライナ、そしてイスラム圏・・・・・・世界中の人々が、結婚式では自分たちの民族衣装を身にまとうはずだ。
 そう考えると、日本の結婚式には、やはり和装がないと物足りないように思う。あなたも思いませんか?
 言うまでもなく、和装は日本の民族衣装である。日本人の女性は和装が一番似合い、一番美しく見えるのは当然なのだ。そもそも肌の色や体型に合わせて、日本の女性を最も美しく見せるようにデザインされたものが和服だからである。
 新婦だけではない。新郎の和装姿は「侍」を連想させ、男ぶりを大いに上げる。ぜひ、これから結婚式を予定されている方は和装にしてほしい。
 日本人には和が似合うのである。