第8回
一条真也
正しければ味方ができる
子曰く、徳は孤ならず、必ず隣あり。

 孔子さまはこのようにおっしゃいました。「徳」を身につけている人は、けっして仲間はずれにはなりません。同じこころざしをもつ仲間が集まって、意気投合するものですよ。

 昔の中国に、孔子さまが理想とした「瞬」という国がありました。そこの人たちはみんな、社会に役立とう、人のためになにかしようという「徳」を目標にしていたそうです。そういう気持ちの人が大勢集まって、この国はたいへんに栄えたそうです。

 でも「社会に役立とう、人のためになにかしよう」とするためには、まず人間が社会で生きていくためのルールを守らなければなりません。

「人を叩いてはいけません」「人のものを盗んではいけません」など、お父さんやお母さんが教えてくれたものもそうですし、「ウソをついてはいけません」「人には親切にしてあげなさい」というのも同じです。


 それが守れない人は、人から信用されず、軽蔑されて仲間に入れてもらえません。

 そうした基本を身につけて、さらに自分をみがいた人が、みんなから尊敬され、どんどん仲間が増えていくのです。