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一条真也
「盆踊りで縁を結び直そう!」

 

 お盆の時期も過ぎてしまったが、みなさんは盆踊りは体験されただろうか。わたしは、北九州市八幡西区のサンレーグランドホテルの中庭で開催された盆踊りに参加した。
 同ホテル内には北九州紫雲閣というセレモニーホールが入っている。もうすぐ施設数が70を超える紫雲閣グループでは、「セレモニーホールからコミュニティセンターへ」をスローガンとして掲げている。
 「葬儀をする施設」から「葬儀もする施設」への転換を目指しているわけだが、その具体的実践として、北九州紫雲閣で盆踊り大会を盛大に開催したのだ。地元の町内会を中心に700人を超える方々が集まった。
 この日は、焼きそば、たこ焼き、からあげ、かき氷などの屋台コーナー、スーパーボールすくい、金魚すくい、射的などの縁日コーナー、さらに歌謡ショーやキッズダンスなどもあって、大変な盛り上がりとなった。
 盆踊りは、夏の風物詩だ。もともとはお盆の行事のひとつとして、ご先祖さまをお迎えするために始まったものだが、今ではご先祖さまを意識できる格好の行事となっている。
 昔は、旧暦の7月15日に初盆の供養を目的に、地域によっては催されていた。照明のない昔は、盆踊りはいつも満月の夜に開かれたという。
 太鼓と「口説き」と呼ばれる唄に合わせて踊るもので、やぐらを中央に据えて、その周りをみんなが踊るのである。地域によっては、初盆の家を回って踊るところもあった。
 今は先祖供養という色合いよりも、夏祭りの行事の代名詞となったが、老若男女が音楽で心をひとつにして踊る様を見ていると、そこには地域社会の「つながり」を感じる。
 小袖や浴衣など、日本の伝統衣装に身を包み、一心不乱に手足を動かして踊れば、わたしたちを遠いご先祖さまとも結びつけてくれる。
 まさに、「地縁」と「血縁」を結び直してくれる盆踊りは、わたしたち日本人にとって必要なもの。わたしは、日本中で盆踊りを開催したい!