2012
03
株式会社サンレー

代表取締役社長

佐久間 庸和

「おかげさまで、孔子文化賞受賞

 天下布礼をさらに加速しよう!」

孔子文化賞の受賞

 世界孔子協会という団体があります。
 孔子の子孫である孔健氏が会長を務められています。その世界孔子協会は、昨年より「孔子文化賞」を制定し、日中友好の懸け橋として尽力し、孔子と論語の精神の普及に貢献した人物に贈っています。このたび、わたしが、第二回「孔子文化賞」を受賞いたしました。
 昨年の第一回目は、野村克也氏(プロ野球・東北楽天名誉監督)、渡邉美樹氏(ワタミグループ創業者)、北尾吉孝氏(SBIホールディングス代表取締役執行役員CEO)、酒井雄哉氏(比叡山延暦寺大阿闍梨)の四名が受賞されています。
 そして、今年の第二回目の受賞者は、稲盛和夫氏(財団法人稲盛財団理事長)、高木厚保氏(会津藩校日新館名誉顧問)、わたしの3名です。

奇跡が起こった!

 誠に名誉なことで、「身に余る」とはまさにこのことです。これもひとえに、同志であるサンレーグループのみなさんのおかげだと心より感謝しております。
 この世には、いろんな人の名前を冠した賞が存在します。芥川龍之介、直木三十五、大宅荘一、小林秀雄、三島由紀夫、そして海外ではアルフレッド・ノーベルなど・・・。じつに多くの賞がありますが、賞の冠となっている人が自分自身が心からリスペクトしている人物であった場合の喜びはひとしおです。
 わたしは、これまでに何度も述べてきたように、人類史上で最も孔子を尊敬しています。また、現役の方の中では、稲盛和夫先生を最も尊敬しています。最も尊敬している歴史上の人物の名前が入った賞を、最も尊敬している現役社会人の方と同時受賞する!この、まるで奇跡のような喜びを噛み締めています。

「天下布礼」とは何か

 わたしの受賞理由としては、数々の著作や、主宰する平成心学塾を通じて、孔子および儒教の思想や倫理思想の普及に貢献したこと、加えて北陸大学客員教授として日本の学生や中国からの留学生に孔子研究の授業を行っているほか、社業を通じて「礼」の実践に努めたことなどだそうです。それらの理由の中で最も嬉しかったのは、社業を通じて「礼」の実践に努めたことを認められたことです。
 「礼」とは、わが社の事業である冠婚葬祭の根本となるものです。それは「人間尊重」の心であり、その心を世に広めることが「天下布礼」ということです。天下、つまり社会に広く人間尊重思想を広めることが、わが社の使命だと思っています。
 かつて織田信長は、武力によって天下を制圧するという「天下布武」の旗を掲げました。しかし、わたしたちは「天下布礼」です。武力で天下を制圧するのではなく、「人間尊重」思想を実践することによって世の中を良くしたいのです。

隣人館のオープン

 わが社は、今年から高齢者介護事業に進出しました。3月1日、最初の施設となる有料老人ホーム「隣人館」がオープンしました。
 現在、日本の高齢者住宅は、さまざまな問題を抱えています。民間施設の場合、大規模で豪華なものが多いですね。数千万円単位の高額な一時金など、金銭的余裕のある人しか入居できていません。
 また、公的施設の場合、比較的安価で金銭的余裕のない人でも入居はできます。しかし、待機者が多くて入居するまでに相当な年数がかかるなどの問題があります。
 さらに、高齢者はそれまで暮らしていた愛着のある地域を離れたがらない傾向があり、地域に根ざした施設が必要とされているのです。
 隣人館の月額基本料金は、78,000円となっています。その内訳は、家賃:33,000円、管理費:5,000円、食費:40,000円です。まさに究極の地域密着型小規模ローコストによる高齢者専用賃貸住宅なのです。飯塚市の次は、北九州市八幡西区折尾に二号店を作ります。

孔子の教えのポイントとは

 孔子の説いた教えのポイントは、「人は儀礼を必要とする」ということ、そして「人は老いるほど豊かになる」ということです。
 前者のほうは従来の冠婚葬祭事業がそのまま実践になっていますが、後者のほうはまさに高齢者介護事業がそれに当たります。その意味で、この事業は「人は老いるほど豊かになる」という長年の考えを実現するものであり、人間尊重を実行するという意味で、「天下布礼」の一環なのです。
 大事なポイントは「孤独死をしない」ということです。隣人祭りをはじめとした多種多様なノウハウを駆使して、孤独死を徹底的に防止するシステムを構築することが必要です。
「隣人館にさえ入居すれば、仲間もできて、孤独死しなくて済む」を常識にしたいです。全国の独居老人にも、どんどん隣人館に入居していただきたいと真剣に願っています。

ヴィラルーチェのオープン

 孔子が開いた儒教では、良い相手を見つけて結婚し、子孫を残すことが重要とされました。わが社では、長年、オークパインダイヤモンド・クラブで婚活サポートに取り組み、多くのカップルを誕生させてきました。
 また、各地で結婚式場を展開し、幸福な夫婦の誕生のお手伝いをしてきました。3月8日に大分県中津市にオープンした「ヴィラルーチェ」は斬新なデザインのモダンな結婚式場ですが、わが社では久々の新規オープンとなります。これから、続々と新しい結婚式場もオープンさせていく予定です。
 介護も冠婚葬祭も、すべては「人間尊重」というわが社のミッションに直結しています。サンレーグループがさらに「天下布礼」を加速して、日本人の幸福に貢献させていただきたいと願っています。

 かねてより敬ひ慕ふ人の名の
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