第3回
一条真也
「夢見ることができるなら、実現できる」W・ディズニー

 

 言葉は、人生をも変えうる力を持っています。 今回は、「アニメの王様」と呼ばれたウォルト・ディズニーの言葉です。
 アメリカはフロリダのウォルト・ディズニー・ワールド内にある「エプコット・センター」の「イマジネーション!」というアトラクションの入口に「If you can dream it,you can do it.」と掲げられていました。
 大学4年生のときに初めて同所を訪れ、この言葉を目にしたときは魂が震えるほど感動しました。それ以来、わたしの座右の銘のひとつになっています。
 ディズニーの偉大な夢は、多くのアニメ作品のみならず、ディズニーランドとして具現化しました。わたしが大学1年生のときに東京ディズニーランド(TDL)がオープンしましたが、その衝撃は今でも憶えています。「夢と魔法の国」に魅せられたわたしは、おそらく100回以上はディズニーランドに足を運んだでしょう。
 人間が夢見ることで、不可能なことなどひとつもありません。逆に言うなら、本当に実現できないことは、人間は初めから夢を見れないようになっているのです。
 偉大な夢の前に、これまで数多くの「不可能」が姿を消してきました。最初の飛行機が飛ぶ以前に生まれた人で、現在でも生きている人がいます。彼らの何人かは空気より重い物体の飛行は科学的に不可能であると聞かされ、この不可能を証明する多くの技術的説明書が書かれたものを読んだことでしょう。これらの説明を行った科学者の名前はすっかり忘れてしまったけれども、あの勇気あるライト兄弟の名はみな覚えているはず。そう、ライト兄弟の夢が人類に空を飛ばせたのです。
 宇宙旅行もこれと同じです。地球の重力圏から脱出することなど絶対に不可能だとされていました。すなわち、1957年にスプートニク1号が軌道に乗る1年ほど前までは、学識のある教授たちが「こんなことは問題外だ」と断言し続けてきたのです。
 その4年後の1961年には、ガガーリンの乗った人間衛星船ヴォストーク1号を打ち上げ、人類最初の宇宙旅行に成功しました。さらに1969年にはアポロ11号のアームストロングとオルドリンが初めて月面に着陸しました。
 人類の夢であった月世界旅行はドラマティックに実現したのです。気の遠くなるほど長いあいだ夢に見た結果、人類はついに月に立ちました。
 あなたは、どんな夢を見ていますか?