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一条真也
「老福社会をつくろう!」

 

 9月18日は「敬老の日」である。
 最近、超高齢国ニッポンの未来を悲観的に論じた本がよく売れている。悲観的になるばかりでは未来が暗くなる一方なので、なんとか「明るい超高齢社会」のビジョンを描きたい。
 日本は「世界一の高齢化先進国」だそうだが、その日本でも最も高齢化が進行している政令都市が、現在のわたしが住む北九州市である。
 北九州市は、高齢者が多いことを「強み」として、日本一、高齢者が安心して楽しく生活できる街づくりを目指すべきだと思う。そこで、大事なポイントは「孤独死をしない」ということだ。わが社を中心に年間650回以上開催されている「隣人祭り」をはじめとした多種多様な「隣人交流イベント」のノウハウを駆使して、孤独死を徹底的に防止するシステムを構築することが必要である。
 そうなれば、「北九州にさえ行けば、仲間もできて、孤独死しなくて済む」というふうになる。全国の独居老人には、どんどん北九州に移住していただきたいと願っている。
  ところで、わが社では「ともいき俱楽部」という高齢者の会を組織、運営している。「平成の寺子屋」のニックネームを持つ小倉の「天道館」を拠点として、さまざまな催しを行っている。この会は「人は老いるほど豊かになる」という信条のもと、65歳以上の方がお互いに「正しい養生」で支え合うことが目的である。
 「超高齢社会」ではなく「長寿社会」を生きる方々が互いに支え合い、「健康で百歳」を合言葉に「後期高齢」を「光輝好齢」に変える活動で、毎回50人以上の方々が参加される。
 お笑いのライブのほか、気功、ヨガ、茶道などが行われている。「元気になった」「健康になった」と、おかげさまで大好評だ。
 人間、年齢を重ねてくると、何につけても良いことばかりではない。しかし、いたずらに悲観的になるよりも、みんなで少しでも楽しい生き方を考え、老いるほど幸福になるという「老福社会」をつくりたい!