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一条真也
アップデートする仏教

 

 先日、「世界仏教徒会議日本大会」に参加した。全互協の山下会長と儀式継創委員会の浅井委員長も一緒であった。
 会場は、横浜市鶴見区にある曹洞宗大本山總持寺だったが、なんと、ここの広さは東京ドーム17個分だとか。
 世界仏教徒会議の大会が日本で開催されるのは10年ぶりだそうだが、この日は「世界平和祈願法要」「記念式典」「記念撮影」「シンポジウム」などが行われ、わたしたちも参加した。仏教系幼稚園に通う元気な園児たちと各宗派の"ゆるキャラ"たちが迎えてくれた。
 この世界大会の母体組織である「世界仏教徒連盟(WFB)」は、世界の仏教徒の友好親善、仏教教義の普及、世界平和への貢献を目的とする仏教徒の国際組織である。
 世界大会の青年部を組織する世界仏教徒青年連盟(WFBY)は、昭和47年にスリランカで開催されたWFB世界大会で設立が正式に承認され、世界最大の青年仏教徒国際ネットワークとして活動を展開する団体である。
 世界平和祈念法要は、宗派はおろか、大乗・上座の垣根さえ超えたオール仏教によるセレモニーで、荘厳だった。
 形骸化が叫ばれている日本仏教だが、『アップデートする仏教』という本によれば、その流れは以下の通りだという。
 すなわち、●仏教1.0(檀家制度に支えられた葬式仏教として形骸化していった日本の大乗仏教)●仏教2.0(瞑想修行の実践的プログラムと実修を具体的に提示した上座仏教)●仏教3.0(上座仏教による批判的吟味を踏まえて仏教本来の瞑想修行を取り戻した大乗仏教)。
 これから、日本仏教はどの方向に進むのか。世界の仏教徒が一同に会する画期的な大会に参加することができて、仏教の初期設定とアップデートについて考える貴重な経験となった。