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一条真也
ドラの音を鳴らせ!

 

新刊『最短で一流のビジネスマンになる!ドラッカー思考』(フォレスト出版)を上梓した。おかげさまで大変好評で、発売直後から大型書店で売り切れた。アマゾンでも総合ベストテン入りを果たすことができた▼いま、歴史が奇妙に符合している。百年に一度の世界不況、創業百年の世界最大の製造業であるGMの破綻、そしてピーター・ドラッカーの生誕百周年。これら三つの出来事が一度に重なったのは偶然とは思えない▼ましてや、ドラッカーはGMとはただならぬ深い関係にあった。なにしろ、彼が世界中に影響を与えるそのマネジメント理論を完成させたのはGMで行った調査がもとになっている▼そして、この世界不況の原因はサブプライムローンに代表される強欲資本主義にあった。それが行き詰まり、世界経済が危機的状況に見舞われているのだ。見直すべきは、「人が主役」「会社は社会のもの」というドラッカー思考である▼蔓延した強欲インフルエンザに世界中が侵されているなら、ドラッカー思考はその特効薬としてのタミフルではないだろうか▼ドラッカーは20世紀最高の思想家であり、21世紀社会の見取り図をわたしたちに示してくれた。今こそ、高らかにドラの音を鳴らす時が来たのだ。(一条)
2009年11月10日