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一条真也
新春座談会

 

1月18日、全互協の新年賀詞交歓会にあわせて、横浜で座談会が開催された。「無縁社会の克服」をテーマとする画期的な内容であった。司会には、佐々木かをり氏をお招きした▼出演者は豪華メンバーだった。奥田知志、鎌田東二、島薗進、山田昌弘の各氏で、業界関係者の一人として小生も参加した▼いま、冠婚葬祭互助会の社会的役割が根本から問われている。私は、無縁社会を乗り越えるためには互助会のイノベーションが必要と訴えた▼常々、冠婚葬祭業ほど人間の幸福に直接つながっている仕事はないと信じている。そして、日々の結婚式や葬儀のお世話をさせていただくことは「礼」の実践だと考えている▼「礼」とは孔子が説いた「人間尊重」の思想である。わが社では「天下布礼」の旗を掲げて、孤独死を防ぐ「隣人祭り」を年間で500回以上開催。私自身も教壇や執筆の場で、「人間尊重」を訴えてきた▼このたび、「第二回孔子文化賞」を受賞させていただいた。倫理思想の普及者に与えられる賞である。京セラ名誉会長の稲盛和夫氏と同時受賞ということで非常に感激している。まさに「身に余る」とはこのこと。さらに志を高く持ち、冠婚葬祭こそ「幸福」への道だと今後も示し続けていきたい(一条)
2012.2.10