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一条真也
礼は究極の平和思想

 

中国でこれまでにない大規模な反日デモが繰り広げられ、多くの日系企業が襲われた。日本が尖閣諸島を国有化したことに反発したのだ。歴史的に見ても、また国際法上も、尖閣諸島は明らかに日本固有の領土である▼にもかかわらず、無法を繰り広げる中国の人々やそれを黙認する中国政府を見ていると、怒りを通り越して悲しくなってくる。混乱に便乗して台湾まで尖閣を狙ってきた▼無法なのは、韓国も同じだ。なんと、李明博大統領が島根県の竹島に上陸し、直筆の石碑の除幕式まで行った。これは、もう悪質な挑発行為以外の何物でもない▼軍備を持たない日本は諸外国から完全に舐められている。加えて、基本的な外交方針を持たない現政権のていたらく。しかし、他国の国旗を燃やすなど言語道断▼そのような行為を行う国家は、世界で最も失礼・無礼・非礼な国である。そう、中国や韓国が崩したものは国際法という「法」だけではない。「法」よりも大切な「礼」というものを崩したのだ▼「礼」とは何か。それは他国の領土を侵さない規範として2500年前の古代中国で生まれた。それを説いた人が孔子である。東アジア全体が緊迫する今こそ、「礼」という究極の平和思想が求められると信じる。(一条)
2012.10.10