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一条真也
無縁社会を生きる

 

いま、『無縁社会を生きる』(幻冬舎)という本が話題になっている。著者は、互助会保証の藤島安之社長。いくつかの互助会経営者へのインタビューも掲載されている▼全互協では、「無縁社会の克服」をテーマに広報活動を展開してきた。今年1月にはパネルディスカッションを開催し、内容は『無縁社会から有縁社会へ』(水曜社)にまとめられた。2冊の本は相互補完関係にあると言えるかもしれない▼パナマ大使などの輝かしいキャリアを持つ藤島社長は、多くの調査資料から「気になる社会動向」を分析した上で、「無縁社会」への処方箋を提示する▼そして、「自分の死を見つめること」に無縁社会を生き抜くヒントがあると喝破。そのことで、自分の周囲の人間を大切に思える。そこから、互いに助け合う社会が実現するというのだ▼死を見つめ、縁を作る。この結論は、調査データを超越した一流の人生観にほかならない。社会の無縁化が進む中で、人々の「縁」を深め、「絆」を強める力を互助会は持っている▼来るべき未来において、互助会の果たす役割はさらに大きくなっていく。そのことを互助会保証の社長は確信している。『無縁社会を生きる』は、全互助会人の必読の書である。(一条)
2012.12.10