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一条真也
バリ島

 

先日、全互連の仲間たちとインドネシアのバリ島に行ってきた。現地では、観月ありさがフェラーリ王子と結婚式を挙げたばかりのブルガリ・ホテルも訪れた▼バリのリゾート・ウエディングはハワイやグアムよりも日本人には合っている気がした。いわゆる「アジアン・リゾート」として、沖縄に近い印象だ▼バリ島北部のバトゥール湖は世界遺産だが、その湖畔にひっそりと佇むトルニャン村にも行った。この村は「風葬」によって死者を弔っていることで知られる▼「風葬」とは、遺体を野ざらしのまま朽ち果てさせる葬法である。かつては、沖縄や奄美諸島をはじめとする日本にもその風習が残されていた▼おびただしい数の頭蓋骨とともに、死後一週間ほどの遺体もあり、わたしたちは合掌した。トゥルニャン村はけっして豊かな村ではない。おそらくは風葬の習慣が残っている一因は済的事情だろう▼風葬の費用は一人あたり日本円で約60万円だという。どんなに貧しい人でも亡くなれば、村人が助け合って葬儀を出す。村にあるヒンドゥー教の寺院において葬送儀礼が執り行なわれる▼葬儀とは人類普遍の「人の道」であることを再認識した。儀式なしに、遺灰を捨てる日本の「0葬」は明らかに異常だ(一条)
2015.12.10