第11回
一条真也
「和婚のこころみ」

 

 高円宮家の次女である典子さまと、出雲大社の神職である千家国麿さんとの婚約が内定し、大きな話題となりました。
 伊勢神宮と関係の深い皇室と出雲大社の千家国造家の縁組は日本史的にも非常に意義のある出来事です。

 さて、わたしは、日頃から「日本人には和が似合う」と考え、神前結婚式こそ日本人に合った結婚式であると思っています。

 また神前式はもちろん、新郎新婦が和装を着て、披露宴では和食が供され、乾杯は日本酒で行う結婚披露宴を「和婚」と呼んでいます。

 先日、そんなわたしが素晴らしい和婚にお招きを受けました。会場は、日頃から「和」を重んじているわが社の松柏園ホテルです。新郎の是則慶秀さん、新婦の福田沙耶香さんとも太宰府天満宮にお務めとのこと。媒酌人を太宰府天満宮の西高辻信良宮司ご夫妻がお務めになられました。

 新郎は北九州を代表する神社の1つである戸上神社の直系ということもあり、この日の結婚披露宴には神社界の方々も多数参列されました。まさに、「神社サミット」の観がありましたね。
 新郎新婦入場の後、司会者からの「開宴のことば」に続き、最初に西高辻宮司による「媒酌人のことば」が格調高く行われました。

 それから、わたしが来賓を代表して祝辞を述べさせていただきました。形式的な挨拶のあと、「凛とした和装姿のお二人を拝見して、やはり『日本人には和が似合う』と再認識したところでございます」と言いました。

 続いて、「神道という宗教」と「結婚という行為」の相性は非常に良いとも述べました。

 わたしは、「結婚は最高の平和である」と常々言っています。人と人とが認め合い、愛し合い、共に生きていく結婚とは究極の平和です。また八百万の神々をいただく多神教としての神道の良さは、他の宗教を認め、共存していけるところにあります。神道のこういった平和的側面は、そのまま結婚生活に必要なものではないでしょうか。

 来賓祝辞の後は、シャンパンタワーならぬ「枡タワー」が行われました。これはピラミッド状に重ねた枡に、新郎新婦が日本酒を注ぐ和の演出です。日本酒は、新婦のご出身である佐賀県は嬉野の名酒でした。

 これぞ和婚のきわみです! 

 ぜひ、この枡タワーを普及させたいものです。