第39回
佐久間庸和
「『サンデー毎日』で連載開始」

 

 このたび、日本最初の総合週刊誌である「サンデー毎日」でコラムを連載することになった。「一条真也の人生の四季」のタイトルで冠婚葬祭や年中行事などの日本人のココロのカタチを毎週取り上げるつもりだ。
 儀式というものには人間を幸せにするさまざまな仕掛けが込められている。それらの秘密を解き明かしながら、人生を豊かに生き、人生を美しく修めるヒントのようなものを書き記していきたいと思っている。
 「サンデー毎日」は1922年(大正11年)に大阪毎日新聞社の新社屋落成の記念に創刊された。ちなみに、日本最初の日刊紙は1870年(明治3年)に創刊された「横浜毎日新聞」で、72年には「東京日日新聞」(現在の毎日新聞)が創刊されている。
 「サンデー毎日」の現在の連載執筆陣には五木寛之、なかにし礼、椎名誠、保阪正康、牧太郎、泉麻人、中野翠、青木理、阿木燿子といった、そうそうたる方々が名を連ねている。
 このような方々の仲間入りを自分がさせていただけるとは夢のようで、身の引き締まる思いである。
 とはいえ、わたしの使命は単に面白いコラムを書くことではなく、儀式文化の素晴らしさを多くの読者に伝えることでだろう。わたしは織田信長の「天下布武」をもじって「天下布礼」を掲げている。
 「礼」とは「人間尊重」のこと。天下に広く礼、すなわち人間尊重思想を広めることがわが企てなのである。
 冠婚葬祭互助会の経営も、大学で教壇に立つのも、講演活動も、本を書くのも、さらには週刊誌にコラムを連載するのも、すべては「天下布礼」の一環と考えている。
 日本には「春夏秋冬」の四季がある。わたしは、冠婚葬祭は「人生の四季」だと考えている。七五三や成人式、長寿祝いといった儀式は人生の季節であり、人生の駅だ。
 セレモニーも、シーズンも、ステーションも、結局は切れ目のない流れに句読点を打つことにほかならない。わたしたちは、季語のある俳句という文化のように、儀式によって人生という時間を愛でているのかもしれない。そして、それはそのまま、人生を肯定することにつながる。
 未知の超高齢社会を迎えた日本人には「老いる覚悟」と「死ぬ覚悟」が求められる。それは、とりもなおさず「人生を修める覚悟」でもある。多くの方々がその覚悟を得るきっかけとなる文章が書ければうれしい。北九州の話題も書く予定だ。
 これからは北九州の地で感じたこと、考えたことを全国に向けて発信したい。