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一条真也
「死ぬまでにやっておきたいことは何か?」
 このたび、『死ぬまでにやっておきたい50のこと』(イースト・プレス)を上梓した。死の直前、人は必ず「なぜ、あれをやっておかなかったのか」と後悔するという。
 わたしが社長を務めている冠婚葬祭会社は、創立50周年を迎える現在まで、多くの方々の人生の旅立ちのお世話をさせていただいた。
 また、わたしは「終活」や死生観に関する本をたくさん執筆してきた。「生」と「死」に関する古今東西の文献をひもといて執筆してきた経験を踏まえ、後悔のない人生を生き、そして「最期の瞬間を清々しく迎えるための50のヒント」を紹介したいと考えた次第である。
 わが社で葬儀に携わる一級葬祭ディレクターから、多くのご遺族が後悔の念に駆られるという報告を受ける。その原因を共有することで、全ての人々の人生は充実したものになるのではないかと考えた。
 冒頭には「はじめに」として「これからの人生を悔いなく生き切るヒント」という文章が置かれ、まるでわたしの遺書のような感じである。
 本文では「死ぬまでにやっておきたいこと」を50の項目にわたり紹介しているが、最後に「付録」として「一条真也が死ぬまでにやりたい50のこと」を掲載した。
 最初は「大学に『儀式学』の講座を開設する」「冠婚葬祭博物館をつくる」などの志を示したが、中には「アントニオ猪木さんに会ってビンタしてもらう」「矢沢永吉さんとホテルのBARで飲む」、さらには「カラオケで日本一になる」などの極私的わがままが展開されている。
 じつは、ゲラの段階では「インドに行って聖なるガンジス河を眺める」というものがあったのだが、これは先月のインド訪問で実現したので、わたしの夢はあと49になった。
 すでに実現したことはリストから外さなければならない。わたしは代わりに「四国八十八ヶ所を自分の足で歩く」をリストに加えた。さて、わが50の夢はいくつ叶うだろうか。