33
一条真也
「それでも結婚式は必要だ!」

 

 入籍をしたものの、結婚式はあげないカップルを「ナシ婚派」という。増加する一方だとされるが、ここに興味深いデータがある。
 ナシ婚派の人々にアンケートを行ったところ、じつは「身内だけのお食事会をした」「結婚指輪を購入した」が、いずれも60%を超え、「婚礼衣裳で写真撮影をした」が約26%にも及んでいる(みんなのウェディング「ナシ婚」に関する調査2015)。決して「何にもナシ婚」というわけではないようだ。
 このデータを見て、各地でホテル・結婚式場を運営しているわたしの会社では、3つのスタイルのウェディングを新たに提案している。
 1つ目は「フォト・ウェディング」。いわゆる「写真だけの結婚式」だ。わが社では衣裳・スタジオを直営しているため、質の高いサービスをリーズナブルに提供することができる。日本庭園での和装姿や、ガーデンでのロケーション撮影が特に人気だ。
 続いては「顔合わせのお食事会」。すでにナシ婚派の6割以上が行っているわけだから、潜在需要が最も高い商品だろう。フォト・ウェディングと合わせた「ハイブリット婚」も今後は増えていくと思われる。
 そして発表後、最も注目されているのが「エンジェル・ウェディング」。これは子どものお披露目も兼ねた新たなウェディングのカタチである。「子どもができたからしない」ではなく、「子どもがいるからこそする」、非常にポジティブな発想から生まれたセレモニーだ。新郎新婦が赤ちゃんを抱いて入場するシーンはとても微笑ましい。まさにエンジェルの笑顔で会場は一気にアットホームなムードに包まれていく。
 結婚式とは親族や友人へ「感謝のココロを届けるカタチ」だ。「感謝もまったくナシ婚」ではいただけない。今後もわたしたちは多様なカタチのセレモニーを提案しながら、新郎新婦の魂を結ぶ「結魂」のお手伝いをし、かつ両家の御縁も結ぶ「きっかけ作り」をしたい。結婚式は必要だ!