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一条真也
日本最大の国難

 

 日本が直面している最大の国難は北朝鮮問題ではない。それよりも深刻なのが人口減少問題である。近年、人口減少に関する2つの数値が相次いで公表された。
 1つは2015年発表の国勢調査で、人口減少が実際に確認された。日本の総人口は約1億2709万5000人と発表された。5年前の前回調査に比べると約96万3000人が減少したわけである。
 もう1つは、翌2016年の年間出生数が初めて100万人の大台を割り込み、97万6979人にとどまったこと。国立社会保障・人口問題研究所が発表した「日本の将来推計人口」(2017年)によれば、日本の総人口が、40年後には9000万人を下回り、100年も経たないうちに5000万人ほどに減少するという。
 このような推計について、産経新聞社論説委員、大正大学客員教授(人口政策、社会保障政策)の河合雅司氏は著書『未来の年表』において、「こんなに急激に人口が減るのは世界史において類例がない。われわれは、長い歴史にあって極めて特異な時代を生きているのである」と述べる。
 さらに西暦2900年の日本の総人口はわずか6000人、西暦3000年にはなんと2000人まで減るという。 河合氏は「ここまで極端に減る前に、日本は国家として成り立たなくなることだろう。それどころか、日本人自体が『絶滅危惧種』として登録される存在になってしまいかねないのだ。要するに、国家が滅びるには、銃弾一発すら不要なのである」と述べている。
 現代日本には「非婚化・晩婚化」という「少子化」よりも手前の問題が潜んでいる。
 国が国難に対応できないのは困るが、じつはこの問題、互助会が最も対応可能な業界ではないか。婚活事業は今後の互助会の大きなテーマのひとつであろう。